台湾における応用日本語学科のコース・デザイン-現状分析と今後の課題-
Autor: | Yu-Hsin Hsueh, 薛玉欣 |
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Rok vydání: | 2009 |
Druh dokumentu: | 學位論文 ; thesis |
Popis: | 97 要 旨 台湾は第二次世界大戦中、日本の統治下におかれていたが、戦後国民党政府が政権を握ってからも、日本と密接な関係が続いている。日台間は主に経済、貿易での行き来が頻繁で、日本語は英語の次に重要な言語となっている。 1963年に私立中国文化大学に「東方語文学系日文組」が設立され、台湾の大学で初の日本語関係学科であったため、現在の「日本語文学系」の前身と見なされている。そして、政府の政策・法律・制度が変わるにしたがって、日本文化に興味を持ち日本語を勉強する人が増え、大学にも日本語学科が次々と設立されるようになった。 台日間の経済貿易の発展に伴い、日系企業が日本語力と専門知識の両方を備えた人材を求めるようになるなど、社会の二―ズが多様化したことを受けて、1980年に国立台中技術学院(旧称台中商専)が応用外語科日文組を設立した。応用日本語学科の前身と言われている。その後、1996年に銘伝大学が最初の応用日本語学科を設立してから今まで、数多く設立されている。従来の日本語学科と違い、実用性・技能などを教育目標とするなど、コース・デザインに新しい試みが見られるが、たくさんの修正すべき問題点もある。 近年、台湾も少子化の影響で、学生数が年々減少し、入学率が50%未満の学科もあるという。台湾の政府機関である教育部も大学を評価するための査察、つまり「評鑑」を実施し、それに合格しなかった学科を廃止するという厳しい措置をとっている。 このように学生獲得のための競争が激しくなり、教育の質を問われるなかで、台湾の教育界は教育の改革や多元化に力を入れている。 また、最近ではインターネットを通して海外の大学の課程を履修でき、学位を取ることが可能になった。将来、中国の大学の学位が台湾で承認されるようになったら、台湾の高等教育市場における競争は現在よりずっと激しくなるだろう。このような危機の時代に応用日本語学科も社会のニーズに対応した教育改革の必要性が迫られている。 学術誌のコラム、評論書、シンポジウムの発表や学術論文など、これまでにも台湾における日本語教育に対する考察と研究は多くなされてきた。本研究ではまず、これらの文献の整理と分析を行う。そして台湾における大学の応用日本語学科の卒業生を対象にアンケート調査を実施し、学習者の立場から応用日本語学科の問題点について考察したい。アンケート調査を通して応用日本語学科の学生が大学の授業に何を求めているか、さらにコース・デザインをどのように調整すべきかを探究することを目指す。 この研究を通して、日本語教師が学習者の考え方や需要をより深く認識でき、学習者のニーズに合わせた指導方針・授業形式などを考える際の参考になれば幸いである。 |
Databáze: | Networked Digital Library of Theses & Dissertations |
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