Autor: |
Nakano, Yuichi |
Jazyk: |
japonština |
Rok vydání: |
2021 |
Předmět: |
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Zdroj: |
駒沢社会学研究 : 文学部社会学科研究報告. 56:83-102 |
Popis: |
2003年4月の東京都知事選挙に再選された石原慎太郎は主要公約の一つとして治安対策を掲げていた。その背景には刑法犯の認知件数の増加、外国人組織犯罪の増加、体感治安の悪化言説の広がりがあるとされている。石原は警察官僚の副知事への選任、安全・安心まちづくり条例の施行、都庁内に緊急治安対策本部の設置という3つの方策をもとに、外国人組織犯罪対策、子どもの健全育成、犯罪に強いまちづくりといった治安対策を進めた。こうした治安対策はコミュニタリアニズムや新保守主義を内包しつつ、象徴的支配によって進められていく。本研究では治安担当の副知事に選任された竹花豊の都議会における発言、インタビュー記事や論文を対象に、治安対策がどのような考えのもとで正当化されていくのかについて分析した。治安対策においては、かつてあったとされる“古き良きコミュニティを取り戻す”ことで治安を回復すること、“良き外国人とそうでない外国人”、“健全な子どもとそうでない子ども”を線引きし、“われわれ”の側にいないものを取り締まったり、正しい方向に導いたりすることの正当性が示されていることを論じた。また、安全・安心まちづくり条例や防犯ボランティアを通じて、治安維持のための自助・共助の精神のもと、都民一人一人が治安維持の主体として動員されていくことについて論じた。 |
Databáze: |
OpenAIRE |
Externí odkaz: |
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