林訳『巴黎茶花女遺事』の語りと文体 : 「風景」の発見との関連において
Jazyk: | japonština |
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Rok vydání: | 2012 |
Předmět: | |
Popis: | 明治期の日本で近代文学の制度が立ち上がるさまを鮮やかに示した柄谷行人『日本近代文学の起源』(1980)は、中国文学研究に対しても示唆するところが大きいと思う。19世紀末の中国と日本の並行関係とともに、新たな文体を模索する中国語固有の事情をも考慮しながら、林紓訳の『巴黎茶花女遺事』(1899)を読んでみたい。まず柄谷の「風景の発見」を手がかりとして、古典小説とはまったく異なる「風景」が『巴黎茶花女遺事』において見出されるのと同時に、「内面」も出現していることを指摘する。次に一人称の語りの形式が、中国の伝統的な木版本の版式・版面に支えられていること、また「内面」を表出する文体として自由間接話法が採り入れられていることを論じる。さらに、白話文よりも文言文において文体・文学の革新が先行した理由についても考えてみたい。 |
Databáze: | OpenAIRE |
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