An essay on logical foundation of Psychology : How to became a human beings from Homo-sapiens? Generative and transformational processes of the intelligence and those mathematical structure

Autor: Yasuo, Nishikawa
Jazyk: japonština
Rok vydání: 2010
Zdroj: 放送大学研究年報 = Journal of the Open University of Japan. 27:35-54
ISSN: 0911-4505
Popis: 本論は、人自身が自ら抱く自己認識、自らが描き出したその自画像の中でも最も基本的な特色(特性)とみなされる「知的存在」としてのあり方、存在様式を数理論理的関係構造の観点から明らかにすることである。つまり、知の解明に取り組む「知の科学」によって明らかにされてきた成果の一端を紹介することである。そのさいの一つの手がかりを、ピアジェの発生的認識論に求め人における知の生成過程とそれにともなって起こる知の生成、変換過程を、それを根底から支える数理的論理関係構造に即して捉える。彼によれば、生成過程は、基本的に4つの段階、これを操作期というが区分される。それは、運動一感覚操作期、前操作期、具体的操作期、そして形式的操作期の4操作期が区分される。その各々の操作期において何が変化するのかというと、知の中核におかれる図式(シェマ)が発揮する機能を支える論理関係構造の各段階に固有にみられる変化である。なお、この図式の変化を生じさせる契機となるものは、認識対象である外界事象との間の相互作用、往復作用、図式の適用(同化作用)とそれにともない生じるずれの調整(調節作用)、認識の適否の検証に基づく図式自体の構造的変化、生成をもたらすフィードバック作用である。 ところで、では当該の知の各段階を意味する各操作期における固有の論理関係構造、その内容とはどのようなものであろうか。基本的には、心的記号同士を結びつける操作を規定する一定の規則群のことに他ならない。しかも、こうした操作とは、数と数とを一定の規則、論理関係構造に即して結び付ける演算、計算に該当する。なお、数自体のもつ論理構造によってこれらの数を結びつける操作、演算規則は左右される。このことが、操作期の階層性の違いに当たる。ただし、ことの認識に当たりすべての演算が可能であるとは言えない。したがって、単に生物的な年齢にしたがってすべての知の段階を実現できるわけではないのである。知の生成、成熟が可能になるということは、いかにこの論理関係構造にのっとって計算を実践できるかにかかっている。 ピアジェは、子供の発達段階に応じた観察データをもとに、知の生成変換過程と、そこで可能になる論理関係構造を示唆した。この点を改めて、群論における群公理を基にした数理論理的に究明した。 この観点を、さらに新たな知の科学、最新の認知科学(心の科学)における「強い心の記号論・計算論」に即しても検討する。
Databáze: OpenAIRE