Battlefield Archaeology in Okinawa
Rok vydání: | 2022 |
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Zdroj: | 第1 回 日本災害・防災考古学会 研究会資料・予稿集. :165-172 |
Popis: | 5.まとめにかえて 沖縄県における戦争遺跡の取り扱いは、沖縄戦で犠牲となった戦死者の遺骨、遺品等の収集のための戦争遺跡の掘り起こし作業から始まったが県民をしてこうした動きに駆り立てたのは、野山に散らばる沖縄戦の戦没者の遺骨を一日も早く収集し供養したいという切なる県民の願いと同時に、特に激戦地となった地域にあっては、敗戦後収容所からようやく村に戻った人々が畑仕事を再開するにあたって、まずは、野や畑に残された多くの遺骨を片付けなければはじまらなかったという切羽詰まった事情などもあったからである(註11)。勿論、こうした時期にあっては、現在のように戦死者の身元を調べ一日も早く遺族のもとに帰すという考えなど思いもつかないことであったし、ましては戦争遺跡や遺物を歴史的資料として取り扱い、これを検証し資料化していくといった視点など起こるはずもなかったのである。しかし近年では、戦争遺跡の取り扱い方についても埋蔵文化財の手続きに基づいて実施されていくことが多くなってきた。1985年から2013年度までの県内における戦争遺跡をめぐる発掘調査等開発対応は31件を数えている(註12)。その数は2013年度以降も増え続けており行政の先進的な取り組みとして評価されていいだろう(十菱2016)。また、最近の動向として水中に遺された沈没船等の戦争遺跡についても調査が行われるようになり注目されるようになってきた(宮城2014)。 戦跡考古学が沖縄県から発信されてからもうすぐ40年となる。その間にも沖縄戦の実態を残す戦争遺跡は日々失われ、戦争を体験した世代も確実に減り続けている。そうした情況を踏まえ、人類の負の遺産である戦争遺跡や遺構・遺物の保存を図り調査・研究・活用していくことで失われいく戦争の記憶を後世に伝え、さらにまた、戦争遺跡を再び「つくらない、つくらせない」ために戦跡考古学を深化、発展させていくことが強く求められているように思われる。 |
Databáze: | OpenAIRE |
Externí odkaz: |