The Character of Mutual Aid and Co-operation in Mura (Japanese fishing community) on the island : Continuity and Discontinuity after the Great East Japan Earthquake
Jazyk: | japonština |
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Rok vydání: | 2020 |
Předmět: | |
Zdroj: | 専修人間科学論集. 社会学篇. 10:15-33 |
ISSN: | 2186-3156 |
Popis: | 本稿では、宮城県浦戸諸島の桂島地区を事例に、東日本大震災後の漁業組織の変化と避難所運営を分析し、シマ漁村のムラの共同性の特質と変化、今後のゆくえについて考える。2011年3月、桂島地区は8メートルの津波に襲われた。家屋の流出と倒壊、港湾設備の破壊や漁業設備の流出等、物的被害は甚大である。だが、高齢者が多い過疎地域の防災力を心配する声とは裏腹に、どこで誰がどのような状況で住んでいるかを互いに知っている住民が、消防団員や地区の役職者と協力して高齢者を助け、高台に避難したので行方不明者や死者はいない。最初に着手したのは、行政の支援を待たずに作業班を組織し、地区にとって優先度の高い公共の場所から順番を決めて、道路や側溝を塞ぐガレキや流出物を撤去し、土砂をすくいだす共同作業の出役である。行政の漁業復興の支援がなにも決まっていない状況にもかかわらず、ノリ養殖世帯の有志10名が、流出を免れた機械を共同利用する協業組織を自発的に立ち上げ、その年の秋の出荷にこぎつけたことも忘れてはならない。こうした状況からは、過疎化と高齢化が進んだ地区であるにもかかわらず、地区単位の共同性が、非常時に遺憾なく発揮されていることが分かる。このような共同性は、一朝一夕で形成できるものではない。長い歴史のなかで培われたものであり、地先権といわれる地先の海の共同管理と共同利用の歴史とかかわる。 |
Databáze: | OpenAIRE |
Externí odkaz: |