Oki Enkichi's Awareness of Problems Regarding Japan’s 'National Policy ' and 'System of Government ' in the Early 1910s

Rok vydání: 2021
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Zdroj: 大東文化大学史研究紀要. 5:1-36
ISSN: 2433-1678
Popis: 大木遠吉(1871-1926)は、「国体」「政体」の理念と現実とが乖離している面があることを問題視していた。「国体」に関する問題の第1は、「国体」に対する「日本国民」の「固き信念」が不足していることである。第2は、本来必要ないはずの「国体擁護」が議論されている状況である。特に上杉慎吉・穂積八束、江木千之・関清英、林甕臣らには否定的であり、美濃部達吉・筧克彦には肯定的な立場をとった。一方、「政体」に関する問題の第1は「官僚政治」の存在、第2は「元老」の存在であった。「元老」の中でも特に問題視したのが桂太郎である。日本は「完全なる国家」であり、「専権」「覇者」のいない「立憲的君主政治」を「神代」の「奉戴すべき趣旨」、「開国以来連綿たる皇祖皇宗の御趣旨」として「徹底」させてきたと考える大木にとって、「武断的、専制的…非立憲的」「政体」である桂の存在は受け入れがたいものであった。このような、「国家」を判断基準とする思考のあり方は、基本的には1910年代半ば以降も引き継がれていくように思われる。
Databáze: OpenAIRE