量研放医研静電加速器施設(PASTA&SPICE)の現状2019

Autor: Oikawa, Masakazu, Suya, Noriyoshi, Ishikawa, Takahiro, Iso, Hiroyuki, Higuchi, Yuichi, Matsuda, Takuya
Jazyk: japonština
Rok vydání: 2020
Zdroj: 第32回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集.
Popis: 量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所(量研放医研)の静電加速器施設(PASTA&SPICE)には、High Voltage Engineering Europe B. V. (HVEE)製のModel4117MC+タンデトロン加速器(最大ターミナル電圧1.7 MV)が設置されており、3 MeV程度の1H+を利用したマイクロPIXE分析やマイクロビーム細胞照射などの実験に広く利用されている 。 当施設のマイクロPIXE分析装置では、19F(p, p' γ)19F核反応により発生する110 keVの即発線をCdTe検出器(XR-100T-CdTe、Amptek製)を用いて検出する、フッ素のマイクロPIGE分析系を2016年度までに構築している。2017年度の本研究会では、19F(p, p' γ)19F核反応に共鳴幅の狭い複数の共鳴領域が存在する(例えば0.935 MeV、1.421MeV、1.940 MeV、2.322 MeV、2.563 MeV、2.783 MeV...etc)ことを活用して、当該マイクロPIGE分析系を用いた加速粒子のエネルギー絶対値測定について報告した。 前回の報告では、0.935 MeV、1.421MeV、1.940 MeV、2.322 MeV、2.563 MeV、2.783 MeVに相当する6つの共鳴ピークを観測していたが、2018年度に2.5 MeV~3.4 MeVの未計測であった範囲で共鳴領域探索を進め、新たに2.963 MeVに相当する共鳴ピークを観測することができた。観測された7つの共鳴ピーク対して、それぞれにガウス関数でフィッティングを行い、そのセントロイドから共鳴ピーク位置における1H+の加速エネルギー制御値を算出し、先行例データの共鳴エネルギー(絶対値)との比較を行った。その結果、加速エネルギー制御値が先行例データの絶対値に対して2 %程度大きく見積もられ、加速エネルギー(加速電圧)を過大に評価していることが判明した。 本稿では、量研放医研静電加速器施設(PASTA&SPICE)の2018年度利用状況及び最新のメンテナンス状況を紹介すると共に、加速粒子のエネルギー絶対値測定に関して現状で得られている結果を報告する。
Databáze: OpenAIRE