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2019年度より、島根大学教育学部附属学校園では、幼稚園と義務教育学校の11年間を通じた探究学習のカリキュラムを作成し、実践している。義務教育学校において学校設定科目「未来創造科」を設けて指導を行うとともに、幼稚園においては義務教育学校進学後を見据え、探究学習の素地を養う保育を行っている。しかし、2020年度以降はコロナ禍の影響により、カリキュラムの第7学年に当初設定されていた探究活動である、高齢者福祉施設での体験学習を通した指導が難しくなった。そのため、2021年度、第7学年の教育内容を当該学年で養うべき資質・能力(「現在の状況や課題が生じている背景を捉える力」(知識及び技能)、「地域や社会が直面する課題の解決に向けて問いを立てる力」(思考力、判断力、表現力)) を踏まえつつ、学校周辺の複数の公民館と連携して実施する新たな内容へと変更した。1年間を通して実践を記録し、生徒の変化について継続的に見取りを行った結果、一部の生徒たちにとっては若干の難しさはあったようであるが、全体として見ると公民館が多様な地域の課題やニーズに応じた活動を行っていることに気づくとともに、自らが漠然と抱く「住みたいまち」という概念の背景には多様な人が暮らす社会があることに意識を向けさせることができていた。 |