Gender Sensitive Disaster Management Policies in Japan : Achievements and Challenges
Jazyk: | japonština |
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Rok vydání: | 2021 |
Předmět: | |
Zdroj: | 公共政策志林 = Koukyo Seisaku Shirin : Public Policy and Social Governance. 9:54-73 |
ISSN: | 2187-5790 |
Popis: | 近年の災害では,少子高齢化の進展,格差の拡大,共働き世帯の増加,過疎化など,平常時の社会のトレンドや課題が,より一層,被害を拡大しニーズを複雑化させる傾向にあるため,応急対応に力点が置かれた従来型の日本の防災政策では十分に対応することが難しい状況にある。ジェンダー視点の防災政策は,こうした今日的課題をも包含するため,日本の防災政策の質的転換をもたらす可能性を持つが,その意義を明らかにするには,政策の前提となる災害観にまで踏み込んで整理する必要がある。そこで本稿では,我が国における防災政策へのジェンダー視点の定着状況の評価に必要な前提について,国際的な災害研究の議論および防災政策の動向との比較も交えて整理した上で,ジェンダー視点から見た日本の防災政策の現状における到達点について検討し,課題を明らかにした。その結果,国の政策としては,予防から復興の各段階において具体的に必要な取り組みが細かく提示されており評価できるが,自治体の対応の実態を見ると,いまだ不十分な状況であった。また,被害拡大の根本原因にまで踏み込むことはできていないことから,日本のジェンダー視点の防災政策は,日本の防災政策全体を性格づける災害観と,それに基づく政策体系の限界に相当程度制約を受けていることも明らかになった。 |
Databáze: | OpenAIRE |
Externí odkaz: |