From Revolution to Reformation : Miyazaki Tōten's Vision and China

Jazyk: japonština
Rok vydání: 2016
Předmět:
Zdroj: 日本研究 = NIHON KENKYŪ. 52:61-100
ISSN: 0915-0900
Popis: 本稿は宮崎滔天が近代中国に託した夢を分析する。滔天は共和制に高い規範的価値を付与し、共和制を政治の極則と見ていた。政体の「進化」について、滔天においては、縦軸の適用性が認められる一方、横軸の適用性が否定された。共和政は「道理」としての政治である。彼は文化の多様性や国情の違いを理由に政体の変革を拒否する考え方を認めなかった。いかなる国家もいずれ共和制に到達すると彼は信じていた。孫文からの影響もあり、滔天において「三代の治」の理想と共和制の理念が根本的に一致するとされ、中国に共和制を導入する思想的障害が一掃された。また、彼は孫文が出した、共和制が中国の現実課題の解決にも適するという主張を受け入れた。さらに、実用性の次元において、滔天は共和制を「方便」とも認識した。彼は共和制を用いて中国の割拠の現実を解決し、分権的統合を図るという孫文の方針に同意した。
滔天は革命事業に参加し、彼の夢を実現するための新しい政道をも探していた。彼は中国を方法として、新しい政道を探し求めていた。第一に、滔天は新政道を唱える「中心人物」として孫文を認定し、彼が率いる勢力に改造を期待した。第二に、中国の伝統的思想と革命主義の理想の根本的一致を発見し、新政道の理念・価値を受容する中国の思想的基盤を確認した。第三に、孫文が提出した一連の社会政策を新政道における政策・方針・運用の部分に位置づけ、その社会政策による改造、理想社会の創出を主張した。第四に、彼は中国の農村自治社会を理想的自治社会の社会的基盤とした。彼はその社会の上に、近代文明を輸入し、改造し、理想社会を構築する構想を打ち立てた。一方、中国を新政道の発見の方法にしたからこそ、近代中国が持つ伝統と近代の矛盾が滔天の思想にも反映されていた。
Databáze: OpenAIRE