シングルマザーのタイプAとタイプB : 児童扶養手当の受給資格者の計量分析

Jazyk: japonština
Rok vydání: 2023
Předmět:
Zdroj: 成蹊人文研究 = Journal of the Graduate School of Humanities. 31:23-35
ISSN: 0919-1488
Popis: この論文は,シングルマザーに多様性があり,タイプによって貧困の連鎖のリスクに違いがあるのか,というリサーチクエスチョンを検討する.そのために,データとして兵庫県豊岡市が実施したひとり親家庭の意識調査を用いる(母集団は市内の児童扶養手当の受給資格者,計画標本はその全員,有効標本は312人,回収率は47.2%).シングルファーザーを除いて,シングルマザー289人を分析対象とする.教育達成が相対的に低く高校以下卒であるときタイプAとよび,短大以上卒ならタイプBとよぶ.分析の結果,高学歴のタイプBだとタイプAとくらべ,個人収入と個人貯金が多く,生活費より子の教育に困難を感じ,子に短大・専門学校以上卒を期待することが多かった.したがって,タイプによって貧困の連鎖リスクに不平等がありうることが示唆された.シングルマザーがタイプAでもタイプBでも,貧困の連鎖リスクを平等に避けられ,取りのこされることなく幸せに暮らせる――そのためのサポート体制が求められていよう.
Databáze: OpenAIRE