The Rising Composition of Capital and the Falling Rate of Profit
Jazyk: | japonština |
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Rok vydání: | 2020 |
Předmět: | |
Zdroj: | 経済貿易研究 : 研究所年報. (46):123-141 |
ISSN: | 0386-5193 |
Popis: | 本稿では、まず資本の技術的構成と価値構成の関係を考察した。資本の価値構成C/V は、技術的構成、生産財と消費財の相対価値比および実質賃金率に分解できる。マルクスは、技 術的構成は価値構成より急速に高度化すると想定しているのであるから、その想定が成立するた めには実質賃金率不変である限り、生産財の生産性が消費財のそれを上回って上昇するとの仮定 が必要である。理論的には、生産性上昇の結果、生産財の単位価値が十分に低下すれば技術的構 成が高度化しても価値構成は高度化しないことも想定可能ではある。しかしマルクスは生産性上 昇の過程で生きた労働V+M/生産手段に対象化された労働Cの比率は低下すると規定してお り、その規定は技術的構成が生産財の生産性を上回って高度化するとの仮定のもとで成立する。 したがって生産力の発展はC/Vの高度化と(V+M)/Cの低下をともなうとするマルクスの理論体 系においては、技術的構成の高度化率>生産財の生産性上昇率>消費財の生産性上昇率なる仮定 がおかれており、技術的構成高度化は必ず減速した形態をとって価値構成の高度化に反映される との構想が採られていることを明らかにした。 次に、置塩定理を検討した。置塩氏は、現行価格で算定して(実質賃金率を一定とする限り) 費用価格を低下させる新生産方法を導入すれば、その新生産方法が一般化した場合の利潤率の上 限N/Cは初期の利潤率より低下することはなく、このコスト基準によって採用された新生産方 法は資本構成を高度化させるものであっても利潤率を上昇させると主張した。氏は、初期の時点 における生産財と消費財の相対価格を基準にコストを算定し有利であると判定された新生産方法 が、相対価格の上昇を推進力として他資本にも普及し一般化してゆくと想定する。新生産方法の 生産係数は初期の時点で決定され、その後の相対価格の上昇過程では、それと異なる生産係数を もつ新生産方法は採用されず、初期の時点で導入された新生産方法が相対価格の上昇を背景とし て普及・一般化するとの想定のもとで、利潤率の上限N/Cは初期の利潤率の水準より低下する ことはないと論定している。しかし生産財と消費財の相対価格の上昇は、視点を変えればコスト を算定する基準自体が変化することであるから、その変化とともに導入時点とは異なる生産係数をもつ新生産方法が採用される可能性は増大してゆく。そして相対価格の上昇によって採用可能 性を与えられた新生産方法のなかに利潤率の上限が初期の利潤率より低下するような生産方法も 含まれることを明らかにした。 最後に、生産力の発展にともない資本構成C/Vの高度化と生きた労働N/死んだ労働Cの比 率低下は制限を受けることなく進行するとの前提のもとで利潤率の推移を確定した。C/Vの高度 化とN/Cの低下の同時進行は、利潤率の上昇領域を縮小させてゆく。N/Cが初期の利潤率の水 準より低下すれば上昇領域は消滅し不可避的な利潤率の低下段階へと移行したことになる。新生 産方法の導入にコスト基準が採用されていたとしてもN/Cの低下に制限のないことはすでに検 討済みであるからN/C→0となり、生産力の発展は不可避的にN/Cが初期の利潤率を下回って 低下する事態を出現させる。生産性の上昇はC/Vの高度化とN/Cの低下に反映されるとするマ ルクスの想定をとれば、生産力の発展過程とは利潤率の上昇領域の縮小・消滅してゆく過程であ ると捉えることもできるのであって、生産力の発展が利潤率の低下を不可避とすると結論した。 Marx stressed that the development of productivity raises the capital composition C/V which is the ratio of constant capital C and variable capital V, and raising the capital composition lowers the profit rate M/(C+V). On the other hand, there is a criticism that even if the capital composition goes up , if there is an increase in the exploitation rate M/V which is the rate of variable capital V and surplus value M, it will put increasing pressure on the profit rate, so the decline in the profit rate can not necessarily be argued. This paper shows that, given Marx’s assumptions that the development of productivity is accompanied by an increase in capital composition and a decline in the ratio of living labor N/dead labor C, the area of rising profit rate will shrink and the decline in profit rate will be unavoidable. As long as the increase of C/V and the decrease of N/C proceed simultaneously with development of productivity, it can be understood that the development process of productivity is a process of shrinking the area where the profit rate rises. Therefore, I concluded that the development of productivity inevitably leads to a decline in profit rate. Departmental Bulletin Paper 論説 |
Databáze: | OpenAIRE |
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