ワガクニ ニ オケル ダイニジ セカイ タイセン チョクゴ ノ デンキ ジドウシャ ブーム : シンキ サンニュウシャ ノ ウゴキ オ チュウシン ト シテ

Jazyk: japonština
Rok vydání: 2020
Předmět:
Zdroj: 三田商学研究. 63(4):203-216
ISSN: 0544-571X
Popis: これまでわが国には何度かの電気自動車ブームがあった。第二次大戦直後の電気自動車ブームでは, ガソリン供給が逼迫し, 電気供給に比較的余裕があったことから, 電気自動車が注目された。また第二次大戦前と戦中に, 航空機製造に携わった技術者たちは, 敗戦後, 航空機製造が禁じられた。彼らが技術力を発揮し, 新しい分野として挑んだのが電気自動車であった。彼らの技術力の絶え間なき向上とバッテリーを供給した事業者の研鑽もあり, 電気自動車の性能は短期間で向上した。他方, 電気自動車はガソリン車や木炭車などに比べ, 輸送力に優れ, エネルギー効率がよいことも次第に証明され, 市場に受容されていった。さらに電気車の充電所などの制度的整備も進められ, 普及のためのインフラも整えられつつあった。 しかし, 1950年半ばに朝鮮戦争が勃発し, 電気自動車に搭載するバッテリー価格が高騰したため自動車の本体価格の高騰が予想され, 一気に劣勢となった。一方, ガソリン供給が急改善され, 電気自動車はエネルギー面でも優位性を喪失することとなった。そこで技術者らは電気自動車を諦め, その技術力の発露を求め, ガソリン車製造へと向かうこととなった。この状況が第二次大戦後わずか5年弱の間に起こった。とくに自動車製造では, 製造を担当する技術者の技術力向上は必須である。他方, 電気自動車を取り巻く社会環境は現在も同様であるが, それらは急変する。そのため, 今後の電気自動車についても技術環境だけでなく. 市場環境も注視し, 柔軟に組織体制を変更できることがその後の企業存続の鍵となることを示唆した。 Japan has had several electric car(EV) booms. The EV boom in the immediate aftermath of World War II was caused by a tight gasoline supply. Because there was a relative surplus of electricity supply, EV was the focus of attention. Engineers who had built airplanes before and during World War II were banned from building them after the war. They decided to try their hand at manufacturing EV. With the help of battery suppliers, the performance of EV skyrocketed. However, the Korean War broke out in 1950, which caused battery prices to soar and gasoline supplies to improve and EV lost their energy advantage. The changes in the EV environment took place in a period of less than five years. In automotive manufacturing, it is essential to improve the technical capabilities of engineers. On the other hand, we must pay attention to the changes in the social environment surrounding EV.
堀越比呂志教授退任記念号 論文
Databáze: OpenAIRE