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長谷川櫂編著『現代俳句の鑑賞101』(2001年,新書館)および「朝日俳壇」(1998年1月~2002年12月)の音象徴語を1拍語基の語を「A型」とし,2拍語基の語を「AB型」(第2拍がラ行音以外)と「AR型」(第2拍がラ行音)とに分けて調査し,小高賢編著『現代短歌の鑑賞101』(1999年,新書館),天沼寧編『擬音語・擬態語辞典』(1974年,東京堂出版)等と比較して考察した。『現代俳句の鑑賞101』で音象徴語の用いられたものは81句,異なり語数で75語,延べ語数で84語で,音象徴語は,1句を17拍として1句当たり0.11拍,総拍数の約0.65%,約30句に1語の割合であった。総拍数に対する比率で見ると,『現代短歌の鑑賞101』の音象徴語の約3/4である。また,『擬音語・擬態語辞典』にも載せられている一般的な語が多く,異なり語数の80.00%にも上るが,『現代短歌の鑑賞101』の中でも見られた語は25.33%であった。「朝日俳壇」の10106句の中で,音象徴語の用いられているものは319句,異なり語数で208語,延べ語数で325語で,総拍数の約0.65%,1句あたり約0.11拍,約31句に1語の割合であった。総拍数に対する比率で見ると,短歌の音象徴語の約3/4である。『擬音語・擬態語辞典』にも載せられている語は75.96%であったが,『現代短歌の鑑賞101』にも見られる語は17.79%にすぎなかった。「朝日俳壇」の音象徴語は,4拍語が半数以上,タイプ別に見ると「ABAB」が約2割で最も多く,次いで「ARAR」,そして「AッBリ」が続く。辞典には多かった「ABッ」はほとんど見られないが,辞典には少ない「Aッ」は上位の語であった。語末の音は「リ」が圧倒的で,『現代短歌の鑑賞101』以上に多く,全用例の約1/3を占めており,語末の「リ」の9割以上は語基に添加された「リ」であった。 |