紙業界における安全安心システムの構築
Jazyk: | japonština |
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Popis: | 産業界に於いては,かねてより労働災害撲滅を目指した安全活動が進められてきたが,残念なことにこの数年間,災害件数の減少率は鈍化している.平成12年に労働規準局より安全文化の提言がなされ,労働災害撲滅を目指して官民が一体となった運動が推進されてきた.こうした安全に対する気運の高まりにも関わらず,事故件数の減尐率は改善されていない.また昨今の事故原因調査結果では,人的要因に関するものが8割を占めている.安全文化の提言以来既に10年が経過しているが,気運は高まりつつあるも,安全文化の定着は期待したレベルには達していないと考えられる. 安全文化の定着は,経営層と従業員層とが有機的に機能し合うことで実現されるものであるが,その導入方法や可否に関しては,企業自身に裁量権がまかされているケースが多いようである.言い換えれば,経営マネージメントの在り方や運営方針に大きく左右されるケースがあると言うことであり,それ故,過去からの習慣や風土との関連から新しい安全の仕組みや考え方が容易に定着化することが出来ないのが現状であろう. 本研究では,生産現場における労働災害を撲滅することを目指し,製紙産業を研究モデルとして ・作業員の安全文化に対するモチベーションの改善方法や安全文化醸成に効果が期待出来る安全意識診断方法を検討する. ・習慣や風土は心理的(感覚的)要素が多く含まれるため,心的手法での改善は難しいと判断し,事故事例を用い,具体的なヒューマンエラーに対し改善施策を提案する. ・ヒューマンエラーによる労働災害を撲滅する方法として安全の8軸を用い,企業特性を考慮した安全文化の構築方法を提案するものである. 併せて,本研究は,個々の事故事例から得られた情報や知見を,企業毎にどの様に活用し,事故防止対策案を構築すべきかを組織運営面と業務運営面の観点から提案する. また,安全文化に関する問題点の抽出方法としては,アンケート調査によるマクロ観点と根本原因分析によるミクロ観点から要因を抽出し,安全の8軸を用いた安全意識診断の有効性を確認する.更にインタビュー調査を加えることで多視点から問題点を具体化し,安全文化定着効果が期待できる安全意識診断方法についても紹介する. 修士学位論文. 2011年度システムデザイン・マネジメント学 第62号 |
Databáze: | OpenAIRE |
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