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現代社会の変化は職場における労働者の心身の健康に影響を与えるが,一方では,労働者の健康に対する意識も活発化している。本調査は,臨床看護師の蓄積的疲労の特徴を明らかにする目的で,職場および年代別による比較を行った。対象はY大学医学部附属病院の内科外科系病棟,精神神経科病棟,外来に勤務する臨床看護師50人(平均年齢30.5±7.8歳)である。調査の結果,蓄積的疲労徴候インデックス1)~5)による臨床看護師全体での疲労は,8特性全てにおいて基準値(23,835名の女性労働者の値)を上回っており,本対象者の疲労度が高いことが明らかになった。職場別では,内科外科系病棟に勤務する看護師は,8特性中7特性「一般的疲労感」,「慢性疲労徴候」,「身体不調」,「抑うつ感」,「不安感」,「イライラの状態」,「労働意欲の低下」が他の2群より平均訴え率が高かった。年代別では,各年代によって訴え率が高くなる特性が異なっており,20代は「抑うつ感」,「イライラの状態」,「労働意欲の低下」の精神的・社会的側面の特性が,40代以上は「一般的疲労感」,「身体不調」の身体面の特性が,30代は「慢性疲労徴候」,「不安感」,「気力の減退」の身体面・精神面の特性の訴え率が高いことが明らかになった。 |