胸膜病変を有し局所麻酔下胸腔鏡検査が診断の契機となったマントル細胞リンパ腫の1例

Jazyk: japonština
Rok vydání: 2011
Předmět:
Zdroj: 市立室蘭総合病院医誌 = Journal of Muroran City General Hospital. 36(1):5-9
ISSN: 0289-2774
Popis: 症例は56歳、女性。呼吸苦を主訴に当院受診し、右胸水を指摘された。胸水検査では赤色調の滲出液が認められたが、結核菌PCR 陰性、細胞診陰性であった。局所麻酔下に胸腔鏡検査を施行し、胸壁に肋間から突出する易出血性の脂肪組織様の病変を認め、同部位の生検で悪性リンパ腫が疑われた。腹部CT では腹部リンパ節腫大を認め、上部消化管内視鏡検査では前庭部?胃体中部にかけて粘膜下腫瘍様の隆起と粘膜の発赤、びらんおよび潰瘍を認め、同部位からの生検でマントル細胞リンパ腫(MCL)と診断された。化学療法によって胸水は消失し、化学療法終了から6カ月後の現在までCR を維持している。MCL は約70%の症例に節外病変を認め多彩な症状で初発するのが特徴とされるが、我々が検索し得た限りでは胸膜病変を呈したMCL の報告は本症例が6例目であった。また、原因不明の胸水貯留例に対する局所麻酔下の胸腔鏡検査は合併症も少なく、胸腔内病変の直視下生検により診断率の向上が期待され、有用であると考えられた。
Databáze: OpenAIRE