Robotik und Recht: Probleme, aktuelle Debatten und erste Lösungsansätze
Jazyk: | japonština |
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Rok vydání: | 2016 |
Předmět: | |
Zdroj: | 比較法雑誌. 50(2):93-116 |
ISSN: | 0010-4116 |
Popis: | application/pdf 本稿は,「ロボット工学と法」と題して2016年3月27日に行われたBeck教授の講演の翻訳であり,ロボット技術の発展が法にどのような影響を与えるのかについて,民事法,公法,刑事法を対象に,幅広い分析を行うものである。まず,筆者の分析によれば,近時,開発及び研究されているロボットは,判断の自律性,自己学習の程度といった点で,従来の機械と明らかに異なる特徴を有しているという。このような特徴は,法律の解釈においても,新しい課題を生ぜしめるものである。第一に,自律型ロボットが製造後にも自己学習や追加プログラムによって発展していくことに鑑みれば,ロボットの製造・利用時に複数の関与者が想定され,これにより,事故発生時の因果関係の認定が困難となる。第二に,ロボットが自律的な判断を行うことから,ロボットが特定の状況下でどのように行動するかにつき,予測可能性がない。第三に,ロボット同士がネット接続されることにより,不具合やミスなどが伝播する危険性があるという。 自律型ロボットが孕む上記のような法的問題について,筆者はさらに各法分野で具体的に記述しているが,いずれの法分野においても,従来の法規定や法解釈では補いきれないほどの不都合性が生じると分析する。それゆえ,今後,立法論も含めた議論が社会レベルで必要とされるが,その際に,筆者は,法の世界に新たな登場人物を取り入れることを示唆している。すなわち,筆者によれば,ロボット工学の現状に鑑みれば,伝統的な自然人をベースにした法律論だけで問題に対処することは困難で,積極的に自律型ロボットに法的人格を認める可能性も模索されるべきではないか,という。筆者は,そのような法的人格として認められた自律型ロボットを,「電子的人(elektronische Person)」と命名する。この新たな概念の導入によって,民事法・刑事法の領域では,結果負責を機械自身に認めることが考えられ,あるいは,著作権法においては,ロボットが著作権を持つようになることも考えられよう。 もっとも,筆者自身認めているように,このような考え方は,伝統的な法律論に馴染みのないものであって,それゆえに,「権利主体」「責任」といった基本的な法概念についての根本的な検討を必要とする。本稿は,紙幅の関係で,そこまでの検討には至っていないものの,法学者に本問題への取り組みを求めるきっかけとしては十分な話題を提供するものである。わが国においても,自動運転型車両の開発が進められているが,この新しい技術に法がどのような取組みを見せるかを検討する上でも,好個の論稿である。 |
Databáze: | OpenAIRE |
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