シャカイテキ キョウツウ シホン ト サイガイ カンゴ キョウイク

Jazyk: japonština
Rok vydání: 2018
Předmět:
Zdroj: 科学/人間. 47:27-52
ISSN: 0288-5387
Popis: 阪神淡路大震災やいわゆる「地下鉄サリン事件」以来、天災、人災にかかわらず災害時における医療、看護の在り方を含め、官民を挙げての総合的対策の見直しと高度化が急務となった。それらを受けて、「看護界全体としての災害看護の活動方法を体系化し、共有できる知識体系を確立する必要があると考えます。国内外ならびに学際的なネットワークを発展させ、研究・情報の蓄積を通して災害看護学の構築を目指す」(日本災害看護学会設立の趣意)学会が設立され、実践的研究が蓄積されてきた。その成果は、東日本大震災で発揮され、国際的評価を受けた。が、「災害列島」と称される日本においては、医療・看護・福祉面などをもカバーする災害看護に関する基礎的な知識、技術、技能を国民が習得するにはなお不十分な状況にある。学会や医療・看護・福祉・教育委員会関係者などが積み上げてきた成果は、国民ないしは世界の人民が共有することでより大きな役割を果たしうるようになる。さらにその理念と社会的連携、協同のネットワークは、ソーシャル・キャピタルとして少子高齢社会、防災などへの備えに欠くことのできないセーフティーネットと位置づけることが必要であり、教育現場(学校および生涯学習)や市民活動などにおいて継続的に学ばれ、随時スキルアップされていくことが重要である。以上のような関心から、本稿では社会的混乱と不安が増大する日本社会の現状において、日本災害看護学会第19回年次大会のテーマが喫緊の課題であることを確認し、その上で、災害看護の市民・国民的教育が「社会的共通資本」の構成要素として必要であるということを提起する。
Databáze: OpenAIRE