放射線 ー宇宙放射線被ばくによる発がんリスクの推定

Jazyk: japonština
Rok vydání: 2017
Zdroj: 季刊 腎と骨代謝[特集]宇宙医学研究の最先端. 30(3):217-225
ISSN: 0914-5265
Popis: 将来想定される長期間の宇宙滞在で最も懸念される人体影響として、宇宙放射線被ばくによる発がんと継世代影響がある。宇宙放射線の特徴は、陽子線、中性子線に加えて、鉄イオンなどの重粒子線などが混ざりあっていること、またこれら混合放射線を低線量率で長期に被ばくすることである。宇宙環境での長期滞在が現実になりつつある今、放射線防護の観点から宇宙放射線による被ばく影響の解明は急務である。 ここでは始めに、地上で被ばくする放射線について解説する。次に、放射線被ばくによる発がんリスクについて、原爆被爆者の疫学調査や高自然放射線地域での健康調査をもとに考察する。最後に、我々が行ってきた動物を用いた発がん研究から、炭素イオン照射後に発生したラット乳がんのリスク解析、炭素イオン照射後に発生したマウス胸腺リンパ腫のゲノム変異解析、そして鉄イオン照射後に発生したマウス腫瘍の病理組織学的解析結果の一部を紹介する。
Databáze: OpenAIRE