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乳腺腫瘍の発見契機は、腫瘤触知による自己発見、検診受診によるマンモグラフィ異常所見指摘によることが多いが、CT の普及により偶発的に腫瘤が発見される機会も増加している。近年、当院でも他科で施行されたCT にて偶発的に乳腺腫瘤を認め、外科へ紹介となり乳癌と診断される症例を経験することがあり、CT 発見による乳腺腫瘍手術症例について検討を行った。2012 年⚔月から2017 年12 月までに当科にて良悪性含む乳腺腫瘍に対し手術を施行した192 例のうち、CT 偶発発見による⚙例を対象として、年齢、発生部位、腫瘍径、CT 検査依頼元の診療科、CT 撮影目的、造影の有無、マンモグラフィの乳腺濃度、腋窩リンパ節腫脹の有無について検討を行った。また、悪性腫瘍については組織型、サブタイプ、病期、術式について検討した。平均年齢は75.6±8.4 歳、発生部位はC 領域が多く、平均腫瘍径は1.5±0.7 cm であった。診療科は消化器内科が66.7%と最多であり、単純CT での発見は⚙例中⚗例であった。悪性腫瘍では、硬癌、Luminal A type、StageⅠが多い傾向にあり、⚑例を除き部分切除が可能であった。CT は乳癌スクリーニングには推奨されないものの、乳癌発見の一助となる可能性が考えられた。CT を読影する際には乳腺腫瘤の有無に留意することが重要である。 |