ウクライナ問題の背後にある国際政治経済関係 : 公共選択の視点

Jazyk: japonština
Rok vydání: 2022
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Zdroj: 経済研究所 Discussion Paper. 367
Popis: application/pdf
本稿の前半では、ロシアのウクライナ侵略に関する2014年と2022年の国連安保理および国連総会でのロシア非難決議案に対して、国際社会における機構・連合・組織がどのような対応をとったかについて考察する。投票結果を見ると、すべてにおいて賛成した国と反対した国がある一方で、賛否が割れたところもあった。特に、1回も賛成しなかった国を見ると、その背後にはロシアとの間で何らかの特別な関係があったのではないかと推測される。そこで後半では、エネルギー貿易、武器貿易、農産物貿易の3分野に分けて、どの国のどのようなロシア依存が存在するかについて考察する。特定分野でのロシア依存は、国連総会で1回も賛成しなかった国だけでなく、すべての回で賛成した国の中でも見られる。ロシア非難決議に続く対ロシア制裁への対応にも国家間で違いが見られる。全体的には、武器輸入におけるロシア依存が不賛成の大きな要因となっている一方、エネルギーや農産物へのロシア依存が、全面的な対ロシア経済制裁をためらわせる要因になっている可能性がある。
Databáze: OpenAIRE