「ソウサクカノタイド」(7)

Autor: Jamet, Olivier
Jazyk: francouzština
Rok vydání: 2017
Předmět:
Zdroj: 天理大学学報. 68(2):105-119
ISSN: 0387-4311
Popis: 夏目漱石の「創作家の態度」は,(明治41)年2月15日,東京朝日新聞社が主催する,朝日講演会の第一回として,神田美土町の青年会館で行われた。他の講演者三宅雪嶺,内藤鳴雪,杉村楚人冠らであった。「文芸の哲学的基礎」と「文学論」の論点とは異なり,この講演では「物」と「我」の対立ではなく,「我」と「非我」の対立として問題を立て直している。「我」を主とするものを「主観的態度」,「非我」を主とするものを「客観的態度」として,文学の様態を,既存の文学史やジャンル分けに拘束されない形で再編成している。本講演のテキストはかなり長いものであるため,今回は第四段の続きで,客観,主観,両創作者の態度の目的と関係を紹介してから,両者の特性について述べられた。そうして,善,美,壮を叙してこれに対する情操を維持しもしくは助長する文学の特性について述べられた。この続きは次号以降に順次訳出する予定である。
Databáze: OpenAIRE