Jazyk: |
japonština |
Rok vydání: |
2023 |
Předmět: |
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Zdroj: |
拓殖大学論集. 人文・自然・人間科学研究 = The journal of humanities and sciences. 49:113-131 |
ISSN: |
1344-6622 |
Popis: |
トニ・モリスンの『ホーム』(Home2012)に描かれたフランク・マニーの旅の諸相を,歴史的観点から論じる。フランクが妹のシーを救出し,故郷に「ホーム」を築くまでの旅で描かれる地名やルートは,一見鉄道路線の関係で立ち寄っただけの,意味のない選択にみえるが,実はモリスンはその地名を使うことによって,複数の伏線を準備しながらアフリカ系アメリカ人の歴史を示唆している。1950年代を舞台にした『ホーム』の背景には「忘れられた戦争」と呼ばれる朝鮮戦争や,アフリカ系アメリカ人を実験台とした医学的研究がエピソードのひとつとして取り上げられているが,本稿ではそれ以外にも「官製」の歴史に記載されなかった事柄や,現在徐々に明らかにされつつある事実が作品の中に示唆されていると考え,小説で描かれた地名に関連させながら,アフリカ系アメリカ人にとっての旅の意味を明らかにしていく。その際,二人の語り手を登場させたメタフィクションの構造も,歴史への示唆を理解するための重要な鍵となる。 |
Databáze: |
OpenAIRE |
Externí odkaz: |
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