The Relationship between Human Beings and Dogs in the Kitan Era in China

Autor: HAN, Shonei
Jazyk: japonština
Rok vydání: 2018
Předmět:
Zdroj: 大手前大学論集 = Otemae Journal. 18:027-044
ISSN: 1882-644X
Popis: 本論は、遼朝[契丹](九〇七年~一一二五年)遊牧民をとりあげ、そこでの犬と人間との関係を文化史的にあきらかにすることを目的としている。遼朝は、中原においては、五代十国九〇七年~九六〇年から、宋朝九〇六年~一二七九年、金朝一一一五年~一二三四年まで含む時代にあたる。遼朝を構成した契丹は遊牧民なので、遊牧動物の管理のために犬をもっている。それは、「契丹犬」とよばれる有能な犬である。遼朝時代において契丹人はどのような固有の犬に関わる習俗をもっていたのであろうか。とりわけ、それをこの論文の先行論文で分析した古代漢族との比較を視野に入れながら分析をする。容易に想像されるように、漢族は農耕民であるが、契丹は遊牧民であるので、契丹においては犬は、生活上不可欠であるので、犬と人間との関係がとても強い。分析の結果、以下のようなことがあきらかになった。古代中国の漢族とおなじく契丹族も、犬は死者を守護するために必要であるとみなしていた。契丹族は伝統的なシャーマニズムと外来の仏教の両方影響を受けていたので、その信仰のもとで、犬を含む動物全般を崇拝の対象にしていた。祭祀のために国主は白犬を殺す習俗がある。ただ、犬の犠牲は古代漢族でもみられた。遼代の皇帝陵の鎮墓石に見られるようにそこに「石犬」がいる。そのような事実は契丹人と犬との強い関係性を示している。古代漢族でも犠牲にして埋葬した犬は主人を守ると信じられていた。いうまでもなく、契丹族は遊牧民族なので、犬は狩猟のために特有の能力を期待された。それは「遼代壁画」に犬と人間の日常生活が表現されており、そこからも犬が契丹人にとって極めて大切な動物であることが分かる。また、壁画から遼代において、すでに犬は牧群をコントロールする役割をもっていたことが分かった。このように契丹においては、犬は霊的な意味のみならず、と実用性の特徴があるといえる。
Databáze: OpenAIRE