非外科的矯正治療を行った6歯の永久歯先天性欠如を伴う下顎前突症例

Jazyk: japonština
Rok vydání: 2022
Zdroj: 昭和学士会雑誌. 81(5):482-489
ISSN: 2188-529X
Popis: 矯正歯科臨床において,永久歯先天性欠如を伴う不正咬合患者の治療機会は少なくない.永久歯先天性欠如部位に対する治療方法としては,歯の移動や補綴治療等,幾つかの方針が考えられる.また,多数歯の先天性欠如により生じたスペースを補うためには,矯正歯科治療単独では困難な場合が多く,補綴治療をも含めた包括的な治療計画が求められる.本症例は,初診時年齢19歳0か月の男性,他院より多数の永久歯先天性欠如,受け口を主訴に紹介された.フェイシャルタイプは軽度のConcave type,ANB −0.2°の骨格性下顎前突症例であった.外科的矯正治療とカモフラージュ治療のボーダーライン症例であるが,前歯部で切端咬合が可能な点や下顎骨に大きな変形が認められない点,CBCTを含めた正貌顔面評価において咬合平面の傾斜が認められない点,患者の希望等を総合的に判断し非外科での矯正歯科治療を行うこととした.先天性欠如部位である上顎両側小臼歯部は補綴治療にて,下顎両側第二小臼歯部は矯正歯科治療により空隙の閉鎖を行い咬合の緊密化を図ることとした.患者の主訴である形態的不調和は改善され,かつ機能的な咬合が得られた.
Databáze: OpenAIRE