遺伝性出血性末梢血管拡張症の経過観察において小腸カプセル内視鏡が有用と考えられた一例

Jazyk: japonština
Rok vydání: 2019
Předmět:
Zdroj: 自治医科大学紀要 = Jichi Medical University Journal. 41:47-51
ISSN: 1881-252X
Popis: 症例は65歳女性。30歳頃から鼻出血を繰り返し,近医にて鉄欠乏性貧血に対して鉄剤投与されていた。貧血が悪化したため当科入院となった。小腸カプセル内視鏡にて空腸粘膜に矢野・山本分類type1b相当のangioectasiaが多発し,血性腸液を認めた。手指に毛細血管拡張病変も認め,遺伝性出血性末梢血管拡張症と診断した。経口ダブルバルーン内視鏡下にangioectasiaに対するアルゴンプラズマ凝固術を施行したところ,貧血の改善を認めた。その後,6ヶ月から1年程度の間隔でカプセル内視鏡を施行している。 Angioectasiaの数が明らかに増加し,貧血の進行を伴う際には,カプセル内視鏡で確認されたangioectasiaが多発している領域に集中して内視鏡的治療を行っている。遺伝性出血性末梢血管拡張症では内視鏡的治療を行った後もangioectasiaが再発するが,病変数と分布を把握するためのサーベイランスとしてカプセル内視鏡検査を行うことで,より侵襲の高い内視鏡的治療を行う回数と処置時間を低減できる可能性が示唆される。
Databáze: OpenAIRE