嚢胞腎の形態診断 (核医学診断を中心に)
Autor: | Fujino, Awato, Ikeda, Shigeru, Kurokawa, Jun, Ishibashi, Akira, Sakurai, Keiji |
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Jazyk: | angličtina |
Rok vydání: | 1980 |
Předmět: | |
Zdroj: | 泌尿器科紀要. 26(8):955-965 |
ISSN: | 0018-1994 |
Popis: | 嚢胞腎, 70例について, その統計学的観察とともに,嚢胞腎の形態診断における,腎シンチグラムの有用性について,超音波断層法,コンピュータ断層撮影など,他の放射線診断法との比較もまじえて,検討した。また,他臓器に合併した嚢胞性病変に対する検索も行ない,嚢胞腎の臨床診断における総合イメージ診断の意義について考察した。嚢胞腎は,病変の進行度により, 臨床的に無症候性,症候性および尿毒症の3つの病期に分けられ,その形態診断に際しては,腎機能障害の有無が問題になる。 著者は,99mTc-PACおよび99mTc-DMSAによる腎シンチグラフィーでの腎イメージの描出度会4つのGrade!こ分類し, それぞれのGrade と腎機能を対比するとともに,他の形態診断法と比較検討し,1)腎機能がほぼ正常範囲内の場合,排泄性尿路造影と腎シンチグラフィーにより嚢胞腎の形態診断を得るのに充分な情報を得ることができる。 2) 腎機能低下を認める場合, 特に血清クレアチニン値,4.0mg/dl以上,あるいはBUN,50 mg/dl以上を呈しているような場合は,まず,腹部単純撮影により,腫大した両側の腎陰影を確認した後,超音波断層法,またはコンピュータ断層撮影により,両側の多発性嚢胞性病変を確認した後,充分な腎イメージは期待できないが,腎シンチグラフィーにより腎全体のイメージおよび残在腎実質を把握することが理想的である, との結論を得た。いずれにしても,腎機能への依存性が少なく, しかも被検者への侵襲性の少ない超音波断層法が,すぐれていると思われるが,反面,再現性に乏しいなどの欠点も認められた。他臓器に合併した嚢胞性病変については,おもに肝について,肝シンチグラフィーおよび超音波断層法などにより検索し, 60例中,37例(61%) に,肝の嚢胞性病変が認められた。いずれの症例においても,肝腫大のほかには,特に肝機能障害,門脈圧亢進などの所見は認められなかった。嚢胞腎における多発性肝嚢胞の合併頻度は,ほとんどの報告で, 30%から50%の範囲にあり, 著者のシリーズでは,ややそれを凌駕した。このように,嚢胞腎の形態診断に際して,腎外臓器の嚢胞性病変,特に,脳動脈癌に対する配慮が重要であるが,逆に,肝をはじめとするそれらの臓器を検索することにより,さらにその診断精度が増すものと思われる。 Our clinical experiences with 70 cases of polycystic kidneys were reviewed and presented with the pertinent radionuclide and other radiological findings. Radionuclide scanning and excretory urography provided satisfactory diagnostic informations in cases with normal renal function. However, in cases with impaired renal function, with serum creatinine over 4 mg per 100 ml or blood urea nitrogen over 50 mg per 100 ml, ultrasonography and computed tomography should be recommended as useful additional diagnostic measures. The investigation of associated polycystic lesions in the other organs revealed polycystic lesion of the liver in 37 of 60 cases (61.6%). The value of radionuclide study in diagnosis of urological disorders is generally recognized as a harmless and non-time-wasting technique. The diagnostic value of it was estimated and compared with that of the other radiological and pararadiological studies. |
Databáze: | OpenAIRE |
Externí odkaz: |