業務管理とデータ利活用がイノベーションに与える影響:JP-MOPSアンケート調査票による国内卸売業の実証研究

Jazyk: japonština
Rok vydání: 2020
Předmět:
Zdroj: ESRI Discussion Paper Series. 355:1-31
Popis: 本研究では、国内卸売業において、業務管理とデータ利活用への取り組みがイノベーション行動にどう影響しているかを、事業所を対象としたアンケート調査の個票データを用いて実証分析した。分析対象は、内閣府経済社会総合研究所が2018年度に実施したアンケート調査の有効回答2,971事業所である。取り扱う商品の特性を明示的に考慮するため、日本標準産業分類に準拠して、卸売業を(1)繊維・衣料品、(2)飲食料品、(3)建築材料、(4)機械器具、(5)各種商品・その他の事業部門に分類し、製品やサービスの開発・改善への取り組みである「プロダクトイノベーション」と、業務プロセスの開発・改善への取り組みである「プロセスイノベーション」に区分したうえで、順序ロジットモデルにより検証を行った。その結果、卸売業全体では、プロダクトイノベーションとプロセスイノベーションに影響を与える要因が異なっていること、新商品・サービスの開発にデータ分析結果を活用している事業所ほどプロダクトイノベーションが活発に実施されていること、などが明らかとなった。また、事業部門別の分析では、業務管理とデータ利用がイノベーション行動に与える影響が異なっていること、複雑なサプライチェーンの中で流行や気温に左右されやすい商品を取り扱う繊維・衣料品卸売業では有意な関係性がないことが明らかとなった。
Databáze: OpenAIRE