診療ガイドラインをどう活用するか 末梢閉塞性動脈疾患のガイドライン
Jazyk: | japonština |
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Rok vydání: | 2008 |
Předmět: | |
Zdroj: | 北海道外科雑誌. 53(2):161-166 |
ISSN: | 0288-7509 |
Popis: | 雑誌掲載版 末梢閉塞性動脈疾患(peripheral arterial disease,PAD)診療は、近年の患者数の急速な増加と、治療法の日進月歩の進歩、さらには治療に関わる診療科の多様化によって、劇的に変化している。欧米が中心となって発行された診療ガイドラインTransAtlantic Inter-society Consensus(TASC)は、PAD診療のこうした混沌とした状況に、急速にEBMを普及させたと言える。改訂されたTASC IIは本邦の学会代表も加わって策定され、本邦でも普及してきている。ガイドラインで強調されているのは、(1)PADの背景にある喫煙、糖尿病の重要性、(2)PADの自然予後や肢切断回避の意義、(3)間歇性跛行肢と重症虚血肢での治療方針の違い(前者はまずは背景因子の排除から、後者はできるだけ早期に専門医での血行再建)、(4)治療後の患者評価の重要性(QOLや医療経済的効率)などである。TASCおよびその改訂版は、広く世界で尊重され普及しつつあるが、本邦では充分といえず、特に、末梢血管専門医へ患者が到達する前の初期治療を行う医療者への普及が切望される。また、心臓血管外科専門医においても、血管を吻合したり、バルーンで拡張することは難しくないが、どのような戦略で患者の治療にあたるべきなのかが重要なのであって、その基礎となる血管病の深層をふりかえるには、TASCは良い機会となろう。 |
Databáze: | OpenAIRE |
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