Autor: |
Sakai, Rei, Yoshida, Toshiya, Kozuka, Chikara, Takagi, Kentaro, Kishida, Osamu, Katayama, Noboru, Takahashi, Hiroyuki, Naniwa, Aiko, Ito, Kinya, Miyoshi, Chikako, Igarashi, Mitsuru, Wada, Katsunori, Oiwa, Toshiaki, Nagai, Yoshitaka, Kowata, Shiro, Koike, Yoshinobu, Tsubakimoto, Katsuhiro, Oiwa, Kenichi, Satoh, Hirokazu, Miyazaki, Toru, Oiwa, Shinichi, Oka, Tsubasa |
Jazyk: |
japonština |
Rok vydání: |
2015 |
Zdroj: |
北方森林保全技術. 32:1-11 |
ISSN: |
1344-5855 |
Popis: |
日本の国土の3分の2は森林に覆われ、このうち4割に相当する1,035万haが人工林である。これらは主に針葉樹の苗木を植栽することにより造成されてきた。日本林業は人工林伐採後も再び植栽するというサイクルを構築することで、持続可能な経営を目指している。しかし現状では植栽から50年生の人工林育成まで平均231万円/haの経費がかかり、公的支援なしに林業経営を行うことは困難な状況にある。この育林コストをいかに低減させるかが課題となっている。育林コストのうち約4割が、苗木生産、地拵え(苗木が植えられるように地表を処理する作業)、苗木の植栽などの更新費用である。この更新に天然更新を選択できれば、育林コストを大幅に下げることができる。北海道では多くの場合、地表を覆うササによって樹木の天然更新が阻害される。しかしこのササを重機で剥ぎ取り、鉱物土壌を裸出させる「掻起し」を行うことにより、天然更新を用いて森林を造成することができる。掻起しの成功率は高く、低コストで森林を造成する方法として道内で広く行われてきた。掻起し施工地はおおむねカンバ類の一斉林になる。カンバは陽樹というカテゴリーに分類される。陽樹は成長に多くの光を必要とし、先駆樹種としていち早く成長する。それに対して陰樹に分類される樹種は少しの光で育つことができるが、初期成長が遅く遷移の後期に優占する。林冠開放度の高い場所で陽樹と陰樹が同時に更新すると、陰樹は陽樹に被圧され多くの場合消失する。今後は掻起しによって陽樹のカンバ類一斉林だけでなく、いかにトドマツなどの陰樹を育成していくかが課題となっている。陰樹を含めた多様な樹種の更新を促すためには、林冠開放度の低い樹冠下で掻起しを行い、カンバ類の定着、成長を抑制させることが有効であるとされている。樹冠下掻起しの先行研究は天然林(天然生林)で実施されたが、人工林における実践例は少ない。人工林での樹冠下掻起しは、母樹の計画的配置(造林木樹種を天然更新の目的樹種とした場合)や林冠開放度のコントロールがより容易になることが期待される。本試験ではトドマツ人工林で間伐を行い、その伐採跡地で樹冠下掻起しを行った。この施業によって誘導する林の目標、すなわち目標林型は上木が造林木トドマツ、下層が掻起しによって更新させた天然更新トドマツで構成される複層林とした(図-1)。この目標林型に向けて施業を行っていく中で、今回は更新初期時に着目し、天然更新したトドマツ稚樹の動態と施業(間伐及び掻起し)との関係を明らかにすることで、トドマツ天然更新技術を確立することを目的とした。 |
Databáze: |
OpenAIRE |
Externí odkaz: |
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