斜面安定解析のための極限平衡分割法の比較と評価 : モーメント平衡式の改良と定常浸透状態における水中重量法
Jazyk: | angličtina |
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Rok vydání: | 2004 |
Předmět: | |
Zdroj: | 農村工学研究所報告 = Bulletin of the NARO, Rural Engineering. 43:1-22 |
ISSN: | 1882-3262 |
Popis: | 日本の第三紀層泥岩や破砕帯等の地すべり地帯においては,地すべりや斜面崩壊がたびたび発生するにもかかわらず,古くから農地として利用されてきたところが多い。このため斜面安定問題は農地保全においても重要な課題であり,地すべりや斜面崩壊の安定性の検討に,極限平衡分割法による斜面安定解析式が一般に用いられている。この方法には多くの方法が提案されてきたが,簡便法や簡易Bishop法,簡易Janbu法,Nonveiller法,Morgenstern-Price法,Spencer法(1967,1973)等が広く利用されてきた。本論では,これらの方法を要約するとともに,筆者の提案する一般分割法と定常浸透状態における水中重量法を紹介し,それらの比較検討を行っている。簡便法は地すべり対策工の設計において最も基本となる式であり,いわゆる厳密解と比較していくぶん低い安全率が得られるが,間隙水圧の計算を精確に行えば精度は改善される。簡易Janbu法は補正係数により一般に厳密解に近づく。また厳密Janbu法の場合も同様であるが,労力的には一般分割法とあまり変わらない。Nonveiller法は不静定内力を無視しても,多くの場合において厳密解にある程度近い結果が得られるが,モーメントの中心点の取り方として,極力,すべり面の中心に近い点を選ぶ必要がある。今日ではパーソナルコンピュータが簡便に利用できるので,一般分割法による厳密計算も容易に行うことができる。一般分割法では,Morgenstern-Price法やSpencer法(1973)のようにモーメントの中心をすべり面の始点とするより,提案法のようにすべり面の中心に近い点として式を組み立てる方が収束計算が簡単になるので有利である。提案法は,Morgenstern-Price法やSpencer法(1973)と比較して,同程度の厳密解をより簡単な収束計算で解くことが出来る。また水中重量法は,スライス内の動水勾配を直線近似して浮力ベクトルの方向を修正すれば,定常浸透状態にも適用でき,分割法の式と計算が一層単純化される。なお、本論は「安定解析式の検討」(シンポジウム「地すべりに関わるモデル解析と実際」,地すべり学会,1998)を基本にして、英文で纏め直されたものであることを付記する。 |
Databáze: | OpenAIRE |
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