The Ideal Crime in the Strategy against Fear of Crime
Jazyk: | japonština |
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Rok vydání: | 2019 |
Předmět: | |
Zdroj: | 法学新報. 125(11-12):349-377 |
ISSN: | 0009-6296 |
Popis: | application/pdf わが国では現在、重罰化とダイヴァージョン的対応という一見すると理念の反するふたつの動向が同時に展開されている。これらふたつの動向を両立させている、わが国の刑事政策の実践を主導する原理とはどのようなものであろうか。本稿では重罰化に焦点を当て、この問題を解明するための足がかりの構築を試みる。 重罰化の対象となる犯罪とダイヴァージョン的対応の対象となる犯罪の最大の差異は、被害者の有無とその社会的属性であり、重罰化の対象となる犯罪における被害者は「理想的な被害者」という被害者のステレオタイプと合致している。さらに、重罰化の対象となる犯罪における犯罪者は「理想的な犯罪者」という犯罪者のステレオタイプと合致している。「理想的な被害者」と「理想的な犯罪者」から構成される犯罪を「理想的な犯罪」と理解するならば、重罰化の対象となる犯罪はまさに「理想的な犯罪」であることになる。では、「理想的な犯罪」という犯罪のステレオタイプは重罰化の動向とどのように関係しているのか。本稿は、「理想的な犯罪」というコンセプトの本質を探りながら、このステレオタイプが重罰化の動向をもたらすメカニズムについて若干の考察を加えるものである。 |
Databáze: | OpenAIRE |
Externí odkaz: |