2つのパターン形成現象による階層構造の自律的形成-動的界面の不安定性と微小領域における微粒子の凝集過程

Autor: 末松 J., 信彦
Jazyk: japonština
Rok vydání: 2006
Zdroj: 盛岡応用数学小研究集会報告集. 2005:49-58
Popis: 自律的なパターン形成現象は遷移過程や緩和過程においてしばしば認められ,様々な研究が進められている.例えば、遷移過程では化学振動反応や結晶成長,べナールセルなどが、緩和過程においては両親媒性分子の自己集合構造や自己組織化単分子膜、高分子ブレンドの相分離構造などが挙げられる.通常このような自律的なパターン形成現象は境界条件(周囲の温度など)と初期条件(各成分の濃度など)を介して制御される.境界条件と初期条件を別のパターン形成現象で与えることにより,2つの特性波長を持つ,より複雑な構造の実現が期待できる.このような構造をここでは階層構造と呼ぶことにする.(1) 階層構造を構築するために我々は,高分子溶液の脱濡れ現象(デウェッティング)と高分子薄膜中における金属微粒子の凝集に着目した.高分子溶液を同体基板上に塗布して乾燥させると,デウェッティングによってμmオーダーの高分子凝集体が規則的な配置に形成されることが知られている.(2)また,高分子薄膜中における金属微粒子の凝集では,微粒子の大きさに依存した波長で最密充填構造が形 成される.このように特性波長が異なる2種類のパターン形成現象を結合させることで,階層構造を自律的に形成できると考えられる.本研究ではμmオーダーの波長を持つ規則的な配置に,nmオーダーの波長を持つ金属微粒子の凝集体を形成する実験を行った.(1)
Databáze: OpenAIRE