154th Regular Meeting of the Medical Society of Toho University Invited Lecture: Light and Shadow of Rare Disease Research, a thorny road to regulatory approval

Jazyk: japonština
Rok vydání: 2019
Předmět:
Zdroj: 東邦医学会雑誌. 66(4):194-197
ISSN: 0040-8670
Popis: 総説
自己免疫性肺胞蛋白症は末梢気道に過剰なサーファクタントが貯留し,徐々に呼吸不全が進行する稀少肺難病である.本邦に約三千人の患者がおり,壮年の男性に多く,難治例は呼吸不全や感染症で亡くなる場合もある.同症は国の指定難病となっている.第一例報告以来,40年間原因不明だったが,1998年,東大医科研で最も貧しいと言われた微生物株保存施設で,北村享之先生(現東邦医大佐倉病院教授)と肺胞蛋白症患者の肺洗浄液中のGM-CSF結合タンパク質の単離に成功し,それが,GM-CSF自己抗体であることを発見した.ほどなく,北村先生と血清診断法を開発した.一方,病因に基づいて開発されたのが,GM-CSF吸入療法であるが,GM-CSFの製造販売権が20年間で6社も移り,実用化は遅々として進まなかった.動物への試験投与を経て,2016年から2017年にかけ,多施設共同医師主導治験を実施した.実薬33例の肺胞動脈血酸素分圧較差の改善は,偽薬30例に比べて有意に優れ,胸部CT上のスリガラス影の改善もこの治療の有効性を裏付けていた.これらの成果は,2019年9月5日号のThe New England Journal of Medicineに掲載された.今後薬事承認に向けて,製薬企業と交渉をすすめていきたい.
Databáze: OpenAIRE