高等学校学習指導要領理科と教科書に見るエネルギー概念の扱いの変遷 -生活単元理科から系統理科までー
Autor: | Yasunori, Igarashi |
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Jazyk: | japonština |
Rok vydání: | 2018 |
Předmět: | |
Zdroj: | 東京理科大学教職教育研究. 3:61-72 |
ISSN: | 2432-7565 |
Popis: | 戦後の生活単元理科Ⅰ期、Ⅱ期から系統理科までの15 年間の高等学校物理教科書全社延べ27 社教科書の「エネルギー概念」の取扱いがどのようになっているかを調査し、その変遷を分析・考察した。「エネルギー概念」の調査項目は、次の10 項目とした。①熱の本性、②分子運動、③ブラウン運動、④熱運動、⑤熱エネルギー、⑥熱量保存の法則、⑦内部エネルギー、⑧熱力学第一法則、⑨( 1/2)m〈v2〉=(3/2)kT の意味、⑩電流の熱作用。以上の10 項目についての調査結果を一覧表にまとめた。 調査の結果、我が国の物理教育に見られる熱概念に関する混乱が、戦後のこの時代から既に始まっていたことが明らかになった。特に問題となるのは、「熱の本性」についての説明が、「熱はエネルギーの一形態である」とする段階で留まっていること、「熱は分子の運動である」とする「熱の分子運動論」に呪縛され、「保有熱の考え」から脱皮できていないことである。用語の問題では、初学者に誤概念を誘発しやすい「熱運動」や「熱エネルギー」の用語が使用されていることである。 |
Databáze: | OpenAIRE |
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