Comparative Bibliological Study of Variations among Four Ante mortem Editions of Unbeaten Tracks in Japan by Miss Isabella Bird (Mrs. Bishop) : The Revisions Reflecting the Lifelong Changes of Her Way of Behavior and Modes of Thinking

Jazyk: japonština
Rok vydání: 2010
Předmět:
Zdroj: 弘前大学大学院地域社会研究科年報. (7):115-145
ISSN: 1349-8282
Popis: イザベラ・バードの日本旅行記であるUnbeaten Tracks in Japan(『日本の未踏路』)は1880年の初版以来何回かの改訂を重ねながら現在に至るまで100年以上の年月にわたり、さまざまな出版社により版を重ねられてきた。書名はいずれも同じこの表記であるが、副題は4種類ある。また、版によって削除の仕方、イラストの目録や地図、付録、索引の有無が異なる。ニューヨークのパトナムズサンズ版のように、手紙形式をとらなかった版もある。特にイザベラ・バード(ビショップ夫人)の存命中の改訂および再出版には本人の意思が働き、メッセージが付与されて、そこに著者の思考および行動の変化の表れが認められる。 そこで、各版の副題、構成(地図、付録、索引等)を比較しそれぞれの特徴を検討した。副題の違いからアメリカでは騎馬旅行が強調されたこと、晩年の1900年の出版では、「談、記事」とあった出だしを「記録」と変えて、研究書としての自負を示したものと考えられる。 また、初版と省略版の項目を比較して削除項目を検討したところ、内容的には、第1巻からは日本の民俗や俗信・迷信に関する項目、第2巻ではキリスト教とその伝道拠点や日本の宗教と教育に関するものが多かった。前者からは説明的要素を除いて、より軽快な旅の冒険に重点を置き、後者からは、日本の近代化を示すものを除いて、アイヌ人に話題を絞ったことが読み取れる。これにより、『日本奥地紀行(アンビートン・トラックス・イン・ジャパン)』は面白い旅の本になった。 最後の単行本の出版となった1900年の新版のわずかな変更からは、教会の外にいて、アジアの医療伝道に寄与したビショップ夫人の終生の仕事のはじまりがこの本にあったことを思い浮かべさせる誇り高い姿が見て取れる。本論は、彼女の読者が手にした各版が、他とどう異なっているのか、あるいは同じなのかを知る手がかりなるものである。また同時にこれら諸版の出版が彼女の人生とどのような関係があるのかを解明するものである。
弘前大学大学院地域社会研究科年報. 7, 2010, p.115-145
Databáze: OpenAIRE