The influence of over-adaptation and schemata on depression among female university students

Jazyk: japonština
Rok vydání: 2021
Předmět:
Zdroj: 跡見学園女子大学附属心理教育相談所紀要. 17:91-108
ISSN: 2186-7291
Popis: 本研究の目的は、女子大学生の過剰適応と自己及び他者へのスキーマが抑うつに与える影響を明らかにすることであった。本研究はWebアンケートを用いて実施され、A女子大学および研究者がネット配信の可能な女子の大学生115名を対象とし、分析を行った。Webアンケートでは、①フェイスシート、②青年期前期用過剰適応尺度、③日本版Brief Core Schema Scale(以下、JBCSS)、④Center for Epidemiologic Studies Depression Scale日本語版(以下、CES―D)を用いた。階層的重回帰分析の結果から、過剰適応には、JBCSSの下位尺度の「自己ネガティブ」のみが有意な正の影響を及ぼしていた。また、CES―DにはJBCSSの下位尺度の「自己ネガティブ」と過剰適応が正の影響を与えていた。さらにJBCSSの4つの下位尺度を用いて、階層的クラスタ分析(Ward法)を行い、“スキーマ不確定群”、“自他ネガティブ群”、“自他ポジティブ群”の3つのスキーマクラスターを得た。そして、スキーマパターンによって、過剰適応とCES―Dの得点が異なるかどうかを明らかにするために一要因の分散分析を行った。その結果、青年期前期用過剰適応尺度の総合点と青年期前期用過剰適応尺度の下位尺度の「自己抑制」、「自己不全感」、そしてCES―Dにおいて有意な群間差が見られた。Tukey HSD法による多重比較を実施したところ、青年期前期用過剰適応尺度の総合点において、自他ネガティブ群が他のクラスターと比較し有意に高い得点を示していた。また、青年期前期用過剰適応尺度の下位尺度の「自己抑制」において自他ネガティブ群が他のクラスターと比較し有意に高い得点を示していた。「自己不全感」おいては、自他ネガティブ群>スキーマ不確定群>自他ポジティブ群の順に有意に高い得点を示していた。CES―Dにおいては、自他ネガティブ群が他のクラスターと比較し有意に高い得点を示していた。本研究の結果から、自己に対するネガティブなスキーマが過剰適応に影響を与え、過剰適応が抑うつを高めることが明らかとなった。また、本研究においても先行研究同様に自己に対するネガティブなスキーマは単体でも抑うつを高めることが示された。また、自他ともにネガティブなスキーマを持つ者は過剰適応を強め、抑うつも高めることが明らかとなった。さらに、自己および他者に対するスキーマが確定していない者はアイデンティティの確立に不利な影響を与える可能性が示唆された。
Databáze: OpenAIRE