Effects of acupuncture on visceral function via somato-autonomic reflex

Jazyk: japonština
Rok vydání: 2017
Předmět:
Zdroj: 東京有明医療大学雑誌 = Journal of Tokyo Ariake University of Medical and Health sciences. 9:1-7
ISSN: 2186-3067
Popis: 自律神経は平滑筋,心筋および腺を支配し,生体を維持していくうえで重要な機能調節を不随意に行う.自動的な制御を基本とする自律神経だが,鍼や灸などを含む体性感覚神経の興奮により,その活動を変動させることができる.本稿では,この体性−自律神経反射を介した臓器機能に対する鍼刺激の影響について,我々の研究を中心に概説する.鍼刺激は心拍数を一過性に減少させるが,この反応は自律神経の緊張度に依存して生じる.そして,心拍数の減少時には拡張期時間の延長に伴い一回心拍出量が増加するが,鍼刺激中も血圧の恒常性が保たれており,単位時間当たりの心拍出量は維持されていることが明らかとなった.ラットの胃運動を指標とした検討において,後肢への鍼刺激(ST-36)は上脊髄性に副交感神経を刺激し,胃運動を亢進させ,腹部への鍼刺激(ST-25)は上脊髄性や脊髄分節性に交感神経を刺激し,胃運動を抑制させることが明らかとなっている.さらに,ST-36への鍼通電刺激による副交感神経活動の亢進は,ストレスにより生じた胃運動障害を改善する可能性が示された.勃起機能に対しても,鍼刺激は効果をもたらすことが示されている.仙骨領域(BL-33)への鍼通電刺激は,正常ラットの海綿体神経の刺激で誘発される勃起(海綿体内圧の増加)を抑制するが,勃起機能が低下している高血圧自然発症ラットにおいては興奮性に作用する.さらに,正常ラットの非勃起時に仙骨領域への鍼通電刺激を行うと勃起が誘発される.これは,Ⅳ群求心性神経を求心路とし,上位中枢を介して海綿体神経を遠心路とした,一酸化窒素(NO)を介した反応であることがわかった.以上のことから,鍼や鍼通電刺激は,体性−自律神経反射を活用し,循環動態・胃運動・男性生殖器等の機能異常を有する患者の治療に貢献できることが示唆された.
Databáze: OpenAIRE