音楽性信号への符号化による携帯端末用音響通信
Přispěvatelé: | 西野, 隆典 |
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Jazyk: | japonština |
Rok vydání: | 2014 |
Popis: | 近距離通信の一つに音を使った音響通信がある.通信は用途や状況に応じて多様に存在するが,音響通信は人が直感的に通信を感じられる点から,ユビキタス性を持つ新たな通信コンテンツの一つとして期待されている.また,新しい広告形態としても利用が考えられている.本研究では,よりユビキタス性やストレスフリーを高めるために,データを音楽性の持つ信号へと1対1の符号化を行った.また,利用頻度の高い携帯端末向けに,その符号化を用いた音響通信の実装を行ったものである.本研究の音響通信では,可聴領域周波数を使った音楽性を持つ信号へデータを符号させる.符号化手法の基本として,データのビット値(1,0)を音のオンとオフに1対1に対応させて符号化した.この対応させる音に音楽のコード進行を用いる事で音楽性を持たせる.コードとは音の12音階から響きの良い単音を組み合わせで成り立つ.この組み合わせの良い音のオンとオフを切り替える事で,常に自然な和音を鳴らす事が出来る.また,時間経過と共に組み合わせの違うコードへと切り替え,切り替えるコードの種類を音楽理論のコード進行を参考とすることで,符号化した音の音楽性を高める.今回の実装では四拍子ごとに,CM7,DM7,G7,CM7 の順に切り替わるコード進行を用いた.この符号化を用いて,Android端末上に音響モデムアプリを実装し,数文字程度のデータ転送実験を行った.実装では,sin波を用い,閾値を用いた周波数解析によりデータを復号化させた.データの転送実験では白色雑音環境下での通信性能を調査した.実験結果から,白色雑音の音量が通信音以下の環境下では2.34%以下に抑えられたが,逆に白色雑音の音量が大きい環境下ではBERが10%を超える結果が得られた.上記の実験結果から,復号化手法を改善する必要がある事が得られ,櫛形フィルタを使った和音解析を実装した.また一方で,音楽性を高める事を目的として,sin波ではなくピアノ音などの楽器音を用いた通信を検討した.本研究の成果として,ユビキタス性を持った音響通信として,コード進行に対応した音響モデムアプリをAndroid端末上に実装した.また白色雑音環境下での通信実験を行った結果,より音楽性を高く持たせた複雑なコード進行や旋律を用いた符号化のためには,高度な周波数解析が必要である事が解った. 三重大学院 工学研究科 情報工学専攻 27 |
Databáze: | OpenAIRE |
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