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現代の生活にマッチした形態のフォーマルドレスを,以前から和服のリフォームも含め製作してきた。それらの,合理的なフォーマルドレス数体は,TPOにあわせて便利に着装し今日に至っている。なかでも,和服をリフォームした各ドレスは,素材面の経済性を追求しつつデザインの研究につながるものであった。また,視野をかえ考慮するに地球環境が叫ばれている今日,有意義なことと思われ和服を用いてデザイン性・合理性を追求し,セレモニードレスを製作した。素材は,単衣長着の明石(縮緬)を使用した。この明石縮緬は,型友禅で染色は美しかったが柄行には現代ファッションとのずれがあり,リフォームで生かそうと考え黒無地に染め直した。そのために浮き上がった銀糸の縫取を生かして,デザインを行うこととした。和服からのリフォームは,限られた用尺と形態であり,寸分の間違いも許されない。そこで,シーチングによる仮縫製をへて裁断を行った。なお,今回はアパレルCADでマーキングを行い,その可能性を探った。造形的には,ユニティとハーモニーを主眼に置きデザインを行った。そのポイントは,ストレートラインのドレスに縫取をどのように,切り替えていくかが課題であった。そこで,ボーダー柄を最大限に生かすため前中心に短冊を入れ,そのためにはぎが入る箇所をピンタックで美的に構成した。合理性を追求したこの作品は,ロング丈兼ノーマル丈であり以前からの研究成果を踏まえ,和服のおはしょりからヒントを得たものである。合理的形態のドレスとして,衣生活の経済性をも考慮し,着脱・着装においてその追求を行った。今後は,和服素材の研究やリフォームにおいて,CADを利用しさらに深めていきたい。 |