ケンポウ ダイ 9ジョウ ノ ハツアンシャ ニツイテ -シデハラ キジュウロウ ノ 'シンイ' オ トオシテ

Jazyk: japonština
Rok vydání: 2021
Předmět:
Zdroj: 関東学院大学人文学会紀要. 145:149-158
ISSN: 2189-8987
Popis: 日本国憲法の3大基本原理の一つである恒久平和主義を謳った第9条が,誰の発案によるのかを巡って,戦後激しい論争が展開されてきた。本小論では,幣原喜重郎の“真意"をとおして,憲法第9条の発案者が幣原であったのか,マッカーサーであったのか,それとも両者による“合作"であったのかについて考察した。いわゆるペニシリン会談で述べられた幣原の“真意"は,不戦条約の徹底をとおして,世界から侵略戦争を全廃したいというものであったが,マッカーサーはこれを戦争の全面的放棄と誤解し,その憲法条文化を決定した。この経緯からすれば,憲法第9条の“直接の"発案者はマッカーサーであったということになるが,ただ“軍人"マッカーサーが幣原の発言なくして単独で戦争の全面的放棄を発想することができたのかといえば,それはきわめて疑わしい。とすれば,幣原の関与がたとえ“間接的"なものであったにしろ,これを軽視することはできないのであって,その意味では第9条は幣原とマッカーサーによる“合作"であったとみるのが妥当であるように思われるのである。
Databáze: OpenAIRE