A Study on Usages of Japanese Auxiliary Verbs to Express Emotions : Focusing on ‘V-tekuru’
Jazyk: | japonština |
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Rok vydání: | 2019 |
Předmět: | |
Zdroj: | 外国語教育のフロンティア. 2:127-141 |
ISSN: | 2433-9636 |
Popis: | 論文 本稿では、日本語教育の初級段階で導入される補助動詞「V- テクル」「V- テイク」「V- テオク」「V- テアル」「V- テミル」「V- テシマウ」「V- テアゲル」「V- テモラウ」「V- テクレル」が上級学習者でも適切に使用できないという問題を解決するため、補助動詞の導入において抽象的な意味・用法の説明だけでなく、それを使用する際の感情にも言及する必要があるということを指摘し、実際の会話データを用いて補助動詞V- テクルが表す感情を言語行動の観点から分析した。日本語教育の文法解説書における補助動詞の説明は、主に1 文単位での意味的な記述であり、日本語学習者にとっては抽象的で、実際の会話場面において使用するための説明としては十分でないことが多い。また、感情表現として導入されるのは、感情形容詞や感情を表す動詞であり、補助動詞は感情表現として扱われていない。しかし、V- テシマウを「残念な気持ちを表す」と説明することは一般的に行われており、学習者にとっても理解や運用が容易であることから、補助動詞を使用する状況とそれに伴う感情を説明すれば、学習者にとって理解しやすく、運用につなげることができるのではないかと考える。本稿では、V- テクルに焦点を当て、〈不満・愚痴〉および〈自己の経験の語り〉の言語行動において、V- テクルを用いた発話がそれぞれどのような感情を表しているのかを、前後の発話も含めたやりとりから考察し、言語行動ごとのV- テクルの用法について論じた。〈不満・愚痴〉については、V- テクルが不満表明の発話で用いられることで、話者と話者以外の人物との対立する立場を表し、他者の行為の影響が話者に及んだ結果、話者が他者の行為の理不尽さに対して不満や不快感、怒りなどの否定的な感情を抱いていることを表現していた。また〈自己の経験の語り〉では、経験を語り始める発話においてV- テクルが用いられ、聞き手に対して以前話題にした話の続きを聞いてほしいという気持ちを表現していた。過去の会話の続きとして会話を行うことにより、会話参加者同士の関係性のつながりの実現(筒井2017:117)や聞き手との共有のベースの形成(山本2001)、場の共有(水谷2015)が行われることになる。この分析を日本語教育に応用するには、V- テクルが使用される文脈を条件として提示できるように一般化しなければならない。また、どこまでを感情として捉えればよいかについても検討が必要である。 |
Databáze: | OpenAIRE |
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