Report on the developments of abandoning orbit insertion of Nozomi spacecraft into a Mars orbit

Autor: Hayakawa, Hajime, Nakatani, Ichiro, Mukai, Toshifumi
Jazyk: japonština
Rok vydání: 2004
Předmět:
Zdroj: 第4回宇宙科学シンポジウム = Proceedings of the 4th Space Science Symposium. :317-320
Popis: 火星探査機「のぞみ」(PLANET-B)は、宇宙科学研究所・鹿児島宇宙空間観測所(鹿児島県内之浦町)より、M-V-3号機にて打ち上げられた。「のぞみ」は火星上層大気と太陽風との相互作用の解明を主目的とした科学衛星であるが、日本初の惑星探査機としてその後に続く惑星探査機の運用に必要な工学技術の取得という工学面での大きな目的も持っていた。「のぞみ」は打ち上げから火星周回軌道投入の断念に至る5年5ヶ月の間に工学技術の習得という目的では「惑星の周回軌道への探査機の投入」という1点を除いては全て目的を達成する事が出来た。「のぞみ」で達成する事が出来た工学技術としては「最適なミッションシナリオを作成するミッション解析技術」、「惑星探査特有の軌道設計技術」、「深宇宙探査機の軌道を精密に決定する技術」「探査機の搭載コンピュータに一定の判断を任せる自律化技術」、「超遠距離の通信を実現するための通信機器技術および運用技術」、「搭載機器を極度に軽量化する技術」、「安全な運用を続けるために必要な地上ソフトウエアの人工知能化技術」がある。また、科学的な成果としては、地球周辺にいた時の「衛星からのプラズマ圏の初撮像」、「日本の衛星として初めて月の裏側の撮像」、太陽系間空間にいた時の「銀河系間空間物質の観測」などの成果をあげる事は出来たが、主目的である「火星上層大気と太陽風との相互作用の解明」については、周回軌道への投入ができなかったことから、残念ながらこれを断念した。搭載観測器についても、観測対象が火星の電離圏である観測器、システム制約上火星周回軌道投入後でなければセンサーの伸展が出来ない観測器を含む、3分の1程度の観測器に関しては科学データを取得する事は出来なかった。「のぞみ」の火星周回軌道投入を断念する大きな要因となった不具合は、次の2つである。1)1998年12月20日(地球軌道離脱時)に発生した燃料供給系の不具合、この不具合により、火星周回軌道投入が当初予定より、4年ほど遅れる事となった。2)2002年4月25日(惑星間空間巡航時)に発生した搭載電気系の不具合、この不具合により、最終的に火星周回軌道投入が不可能となった。本稿ではこれら不具合の原因、対処、影響を述べると共に、今後のミッションに対しての提言を記す。
資料番号: AA0047899075
Databáze: OpenAIRE