チホウ コウエイ キギョウ カイケイ ニ オケル リエキ オヨビ シホン ガイネン ノ コウキョウ カイケイガクテキ カイシャク (ゲ)

Jazyk: japonština
Rok vydání: 2015
Předmět:
Zdroj: 三田商学研究. 57(6):61-84
ISSN: 0544-571X
Popis: 前稿(上)で検討した, 地方分権改革および改訂された地方公営企業会計に係る利益積立金制度についての公共哲学および公共会計学的観点からの前提的な検討を踏まえ, 本稿(下)では, 地方公営企業が担っている社会的インフラ資産の維持・更新のための財源負担の在り方および利益の意義について, ロールズの「公正としての正義」第2原理の観点から, さらに検討する。具体的には, まず世代間負担の概念について, 功利主義とロールズの公正としての正義の立場から考察を加え, 概念的な意味での財政的帰結を検討する。次に, この概念を地方公営企業会計に適用し, 料金負担と利益との関係を検討する。特に事業報酬について, 受益と負担の関係から公共会計学的解釈を行う。最後に, 利益の資本組入により資本造成がなされる資本組入制度の意義について, 利益積立金および資本造成会計に係る公共会計学的解釈をもとにした検討を行い, これらを踏まえて, 今般の地方公営企業会計の資本制度の改訂について一定の考察を行う。 地方公営企業会計などの公会計領域では, 本稿(下)で検討対象とした社会的インフラ資産の維持・更新財源の負担に係る「世代間正義」に関連する分配問題など, 企業会計領域における財務会計理論の枠組みには必ずしも収まりきらない課題が存在しており, このような認識の下で, 会計処理の在り方等を考察するような公共会計学的解釈の必要性を明確に識別すべきであることを論ずる。 なお, このような公共会計学的解釈は, 地方公営企業会計ばかりでなく, 国の財政負担や公益企業における電力料金等の公共料金負担の在り方に係る需要者サイド -国民主権・消費者主権の観点- からの理論付けをする一つの視座を示すものでもある。
研究ノート 挿図表
Databáze: OpenAIRE