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本稿は,日本企業が資本予算の編成および投資意思決定の可否判断をどのように行っているのかについて把握するため,わが国の上場企業を対象として実施した質問票調査(有効回答数:225社)の結果の概要を報告するものである。質問票には,前半に経済性評価方法に関する項目,後半に投資評価プロセスおよび資本予算編成に関する項目を設けている。前半では,経済性評価方法の利用頻度,併用する場合の重視度,近年における利用頻度等の変化の有無,プロジェクトタイプごとの重視度の相違,割引率の算定方法,将来予測に対する見積もりや不確実性への対応などについて確認しており,後半では,資本予算の編成の取りまとめ部署およびその承認部署,各部署の経済性評価に対する理解度および重視度,プロジェクトの否決の程度,再評価・経過監視・事後監査の実施の有無,部署間の対立の有無などについて確認している。本調査結果は,先行調査と比較すると,いくつかの項目において変化が生じていることを提示しており,興味深い結果が得られている。本稿が,近年の日本企業の資本予算実務の実態を把握し,その理解を深めるうえで,有益な情報を提供できれば幸いである。 |