膜性増殖性糸球体腎炎の治療・寛解後にループス腎炎が判明した11歳女児例

Jazyk: japonština
Rok vydání: 2009
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Zdroj: 日本小児腎臓病学会雑誌. 22(1):46-50
ISSN: 0915-2245
Popis: 雑誌掲載版
症例は11歳の女児。7歳時に腎機能障害と低補体血症を伴うネフローゼ症候群を発症した。腎生検にて高度の分葉化を伴う増殖病変、基底膜二重化などがみられ膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)と考え、ステロイドパルス療法、PSL隔日投与で一時的に尿所見正常化、腎機能改善がみられた。2年後の腎生検にて光顕上、増殖性変化は改善傾向を示した。ステロイド治療中止2年後に、蝶形紅斑の出現とともに、蛋白尿・血尿と低補体血症が再燃、抗ds-DNA抗体陽性化も認められ、全身性エリテマトーデスと確定診断した。腎生検にて、ループス腎炎ISN/RPS分類classIV-G(A/C)と診断し、ステロイドパルス療法、低用量シクロフォスファミド静注療法にて寛解導入を行っている。3回の腎生検の免疫染色結果の推移を検討すると、経時的にfull-house" nephropathyへの移行がみられた。MPGNの組織像を呈する症例においては、その治療・寛解後も、血液検査、組織学的検索を参考に、SLE移行について慎重に考慮していく必要がある。
Databáze: OpenAIRE