Clinical significance of late nerve cell death
Autor: | Takaaki Kirino |
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Rok vydání: | 1994 |
Předmět: | |
Zdroj: | Nihon Naika Gakkai Zasshi. 83:828-833 |
ISSN: | 1883-2083 0021-5384 |
DOI: | 10.2169/naika.83.828 |
Popis: | 脳の代謝は血液から供給される酸素とグルコースに全面的に依存していて,血流が停止すればたちまち機能停止状態となる.脳が虚血を始めとするエネルギー代謝の障害によって損傷を受けやすいのは,脳の代謝のこのような特殊性から考えて当然のことと受けとられてきた.しかし,エネルギー代謝の障害が直ちに神経細胞を細胞死に陥らせるという考え方は修正を迫られている.ごく短時間の脳虚血によって海馬CA1領域の神経細胞が選択的に細胞死に至るが,その過程は数日間を要する.この遅発性神経細胞死は脳虚血に対する神経細胞の脆弱性を解明するモデル系として用いられるようになった.現在,興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸が細胞外に増加し,それが細胞内のカルシウムイオンを増加させて神経細胞の細胞死を引き起こすという仮説が広く信じられている.遅発性神経細胞死は海馬CA1神経細胞以外にも認められる基本的な神経細胞死の機構であり,これを解明することによって,脳の虚血性疾患の治療の進歩がもたらされるものと期待されている. |
Databáze: | OpenAIRE |
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