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筋緊張性ジストロフィー症(MyD)10例を対象として,日常生活労作activities of daily life (ADL)の重症度により分類し,心機能の変化を非観血的に対比した.対象例中, ADL良好群(A群)は7例, ADL不良群(B群)は3例であつた.いずれも,明らかな心症状または胸郭変形を伴わなかつた.心電図上, 1例で左脚ブロックおよび第1度房室ブロックが認められた.僧帽弁逸脱は3例で示された. MyDの安静時における心機能は,心エコー法による検索から, A群ではほぼ正常であつたが, B群では,心収縮能および心拡張能の両者に低下が示された.すなわち,骨格筋障害の程度が強く, ADL重症度が高い症例ほど,心機能低下がより著明であつた.左室機能は早期から進行性に障害される所見がえられたが,このさい,心収縮能および心拡張能の両者が並行して障害されることが示された.亜硝酸アミル負荷試験による心予備能評価を行なうと, MyDでは,安静時における心機能とは無関係に, A, B両群で, ET/PEPの増加率が,正常群に比べ有意に低く,心予備能の低下が推定された. RIシンチグラムにより, MyDにおける心筋障害は前壁側に生じやすいことが示され,前壁側心筋障害例では明らかな心機能低下を伴つた. |